ラブラドール・ノアロー -- 犬と暮らすこと12010年08月06日 17時41分49秒


 愛犬の寿命は大型犬で10年から12年と言われています。もっと長生きする子で16歳くらいでしょうか。

 犬を家族に迎えるということは、その犬の一生のすべてを引き受けることです。

 それは、家族同然の濃厚な付き合いをするということであるのですが、いつかお別れの時が来るという事でもあります。

 ワンコとの出会いと別れ・・・。

 それは一つの愛情物語です。

 犬と暮らすことはどういう事なのかという、その事について、愛犬を看取った者の視点で気がついた時に書いて行きたいと思います。

 犬と暮らし、犬を看取るとは・・・。

 ある友達が話していたことを思い出しました。

 愛犬を亡くし、深い悲しみを抱きながらも、その方は毎日をしっかりと生きていました。

 多くの方がそうやって生きていらっしゃると思います。

 それが、ある日、自分が飼っていたのと同じ色のラブラドールを見掛けた時に、ウワァっと涙が溢れ出て止まらなかったと言います・・・。

 人前であるのにも関わらず、どうにも制御出来なかったと。

 普段は心の奥底に大事にしまってある愛犬との色鮮やかな思い出が瞬時に蘇り、幾重にも重なった複雑な感情が涙という形で放出されたのだと思います。

 こういうエピソードは愛犬と人間の関係だけでなく、もちろん、人間と人間とでも起こります。

 以前、軽井沢の喫茶店のブログか何かでオノヨーコさんのエピソードが紹介されていました。

 そこはジョンレノン一家がよく訪れた場所で、ジョンが亡くなった後、ヨーコさんだけがふらりとやって来た事があったそうなんです。

 その時、店主がジョンが忘れていったライターを彼女に渡したところ、しばらくの間、ライターを手でカチャカチャやっていたと言います。

 そして、突然、ワァッと泣き出したと言うのです・・・。

 この話を読んだ時、私ももらい泣きしてしまいました。

 愛する存在と死別するとは、こういう事なのかと・・・。

 人は感極まると泣くものですが、激しく心が揺さぶられない限りこういう涙は出てきません。

 一番人の心を揺さぶるもの、それは愛に他なりません。

 心に愛があるから、愛の思い出に敏感に反応し、心が動くのだと思います。

 愛が死んでいないから涙が出るのです。

 そこに愛があるから、愛犬は生き続けられるのです。楽しくて幸せだった大切な思い出と一緒に。

 涙は愛犬との幸せな暮らしの証でもあることでしょう。

 愛犬と暮らすこととは・・・。心に愛が蓄積される・・・ことかもしれません。