ラブラドール・ノアロー -- 犬の寿命を考える2010年07月31日 01時42分27秒

             (2009年8月撮影)

 獣医学が進み、犬やペットの寿命が延びたと言われていますが、私は少々懐疑的です。

 あんなに元気で活発で見た目も若かったノアローが、11歳を越え、半年を過ぎた辺りから、信じられないスピードで死に向かって行くのを目の当たりにし、犬という小動物の命のはかなさを痛感した事があるからです。

 薬石効なく、何をやっても命の光が再び輝く事はありませんでした。

 大病を患ったわけでもなく、昔からある、犬らしい亡くなり方だったのかもしれません。

 先端医療の世話になることもなく、介護生活を送ることもなく、ノアローはこの世を去りました・・・。

 ただ、毎日のように獣医さんへ通い、変調があった時は一日に二回も出掛けましたから、常に医療のサポートを受け、それによって苦痛が和らいだと思いますし、突然死することは免れたのではないでしょうか?

 ネットでは長生きのワンちゃんが目立ちますが、大型犬の寿命はおおまかに10歳というのは、前と余り変わっていないのではないかと思います。

 寿命というのは、生まれたときにある程度決まっているものだと思いますね。

 運命論以外でも、体が丈夫であるとか、長生きする要素を持って生まれたとか。

 性格も関係していると思います。

 ノアローは元々激しい性格で、しかも去勢をしませんでしたから、いつもフルパワーでした。

 セーブされたり、押さえられた部分がなかったので、いつでも目一杯楽しんで生きていました。

 夫はよく、「ノアローは直列電池みたいだな」と言っていましたが、それほどノアローを上手く表した言葉はないでしょう。

 遊んでいる時でも、ワーーーっと盛り上がって、暫くすると電池切れしちゃう感じでした。

 ノアローは去勢しませんでしたが、マーキングもせず、生涯、片足を上げてオシッコをすることはなかったです。

 お坊ちゃまなノアローらしいです。

 「ワンコのオスはマーキングするからイヤ。だから飼うならメスが良い!」という人もいらっしゃいます。

 心配していた去勢をしないことで起こる病気にはならず、去勢していなかったためかマッチョ体型で年取っても肥満とは無縁でしたね・・・。

 ノアローは縄張り意識も強く、物にこだわらないノンビリした性格ではなかったです。飼い主に似ちゃいましたね・・・(笑)

 自己主張が激しくて威張っていて、縄張り意識も強く、自分の気持ちで動く、それと同時に神経質で慎重、臆病なところもありました。

 ノアローは、ヤクザ映画で「ああいうタイプは長生き出来ないんだよ」と言われるような、武闘派タイプだったのかもしれませんね。

 獣医学が進んだから、健康診断をしているから、食べ物が変わったから・・・、それで寿命が延びたとか、まだまだ寿命は延びるとか言われることは良いことでもあるし、そうでもない部分もあるかもしれません。

 それは、飼い主に過剰な期待を持たせたり、それによって愛犬に負担を与える結果になったり、長生きできなかったことを悔やんだり責めたりする結果になることもあると思うからです。

 長生きできれば良いですが、すべてのワンちゃんが長生きできるわけでもないし、長生きの本当の理由はわからないのではないでしょうか?

 現実に15歳、16歳のラブラドールがいることが私は羨ましいです。
 
 ある日、突然お別れの時がやって来ます。

 どんな亡くなり方をするか予測することは不可能ですし、考える必要もないかと思います。

 その時、自分に与えられた運命を受け入れるしかないです。

 長生きにこだわって、あれこれ考えてセーブして生きるか、それとも「死ぬときは死ぬ」と割り切って、思うままに生きるか。

 普通は、その中間あたりで手を打たれるのでしょう。

 犬の寿命は長くて十数年。それが長いとか短いとか、どうしても考えてしまいます。

 でも、人の人生がそうであるように、犬の生涯も又、長い短いでは計れない、もっと奥深いものであるはずです。